『神谷塾だより』第119号(2008年4月7日発行)の記事を修正】
合唱でも、吹奏楽でも、他の形式の合奏でもいいから、何か大きな曲を練習する…と考えてみてください。集まるたびに違う部分を細切れに練習していても、なかなか曲になりませんね。もちろん個人練習が前提だし、合わせるのが難しい箇所はそこだけを取り出して何度もやってみる必要がある。それでも、全体での練習のたびに一度ずつくらいは通して演奏してみるでしょう。そうすると、だんだん曲の全体像がつかめてきて、それぞれの部分の曲中での位置づけが見えてきます。そして、
A 「難しい」「責任が重大」「決めたい」「失敗できない」
→ したがって 「きっちり個人練習しなくてはならない」
ところと、
B 「難しくない」 「余裕がある」 「楽しめばよい」
→ したがって 「Aほど力を入れなくてもいい」
ところとがそれぞれに身体になじんできます。あとはAの箇所を中心にした個人練習と、Bの箇所を含めて集中した全体練習をする。限られた期間で曲を仕上げるにはこういう方法がとても有効です。
さて勉強の話です。新しい教科書をもらいましたね。まず社会。最後までザッと目を通してしまおう。詳しく読むのは学校でそこの授業があるときでいいとして、パラパラ…と、何度も何度も目を通そう。そうするうちに、全体の様子がつかめてくる。とくに歴史には 「ストーリー」 があるのだから、(そんなに面白い文章ではないだろうが)最後まで読んであらすじをつかむことをお勧めする。イラストや写真を見ていくだけでもいい。中学生の歴史だったら、かなりの絵や写真は小6社会で見た憶えがあるもののはず。そして、
A 「勉強した記憶がない」 「なんだか難しげ」
→ したがって 「きっちり勉強しなくてはならない」
ところと、
B 「勉強した記憶がある」 「少しやれば思い出せそう」
→ したがって 「当面のところ心配はない」
ところとが見えてくるだろう。
英語の教科書も、知らない文法や単語がきっとあるのだけれど、まず読み物として読んでみよう。イラストが理解を助けてくれるので、何の話であるかくらいはわかりそうなものだ。内容や単語を憶えようとしなくていいから、ひととおりページをめくってみよう。
数学や理科は、いま勉強しているその先に何があるのかを見ておくだけでいい。ずいぶん見通しが違ってくるはずだ。
関連して勉強法をひとつ。高3や中3なら理科・社会の用語問題集をやっている人がいるだろう。「一日一ページ」などと決めて少しずつキチンと進めるようにしがちだが、長く中断したり、飽きてやめてしまったりすると効果は上がらない。だから、ザッとでいいから「時々全部やる」ことにするといい。あまり根を詰めないように。毎回毎回ノートに全部の答を書くのは無理だから、答はそこに赤字で書いておいて、赤色のプラスチック板で隠して練習する。
いわゆる暗記物は反復が大切。その分スピード重視でいくのだ。憶えてしまったものはそのうち飛ばしていけるようになる。また逆に「いつも答えられない問題」が浮かび上がってくる。それを別紙にリストアップして強化するという工夫もできる。やってみてください。