2023年度入試もとうに終わっていますが,2022と2023はなかなか興味深い数であることに気づきましたので,ご紹介します。
まず2022。もちろん2で割れて,その商は2022÷2=1011です。1+0+1+1=3より,「各位の数の和が3(または9)の倍数であるとき,その数は3(または9)で割り切れる」という定理(★とします。証明はラストに)にしたがい,1011は3で割れます。その商は1011÷3=337。337は素数でしょうか,それとも何かで割り切れるでしょうか?
ある数が素数であるかどうかは,高々その数の平方根までの数で割り切れるかどうかを試してみればよい。平方根よりも大きい数で割れるのであれば,その商は平方根よりも小さくなるので,その数の平方根までで発見できているからです。
さて,18の2乗は324,19の2乗は361ですから,1以外の約数があるとすれば高々18。337は奇数なので偶数では割れない。3の倍数でも割れない。5の倍数の末尾は0か5なのでこれも違います。残るは7,11,13,17ですが,これらのどれでも割れない。したがって337は素数であるとわかりました。
以上から,2022の素因数分解は 2×3×337 となります。
では2023にいきましょう。まず2と3では割れません。そこで,以前「2021の素因数分解」で書いたように,一の位に着目します。一の位は3。掛けて一の位が3になる2数の組み合わせは■1×□3,■7×□9しかありません(■と□は十の位以上の桁を表します。ここは何でもOK)。40×50で2000ですから,せいぜい50台の数までを調べればよい。
今回はまず■7として7,17,37,47で割ってみる方針でいきますと,実はすんなり「7」で割れました。2023÷7=289です。そして,289という数に見憶えのある人は「おお!」と少し感動するでしょう。17の2乗なのです。
以上から,2023の素因数分解は 7×17×17 となります。なお,せめて15の2乗,できれば19の2乗まで記憶しておくことをお勧めします。
★の証明は中2数学でできます。3桁の数でやってみましょう。
自然数Nは3桁で,各位の数の和が3の倍数になるとします。正の整数aと負でない整数b,cを用いてN=100a+10b+cと書けます。ここでa+b+c=3m(mは自然数)です。
N=100a+10b+c=99a+9b+(a+b+c)=99a+9b+3m=3(33a+3b+m)
ここで33a+3b+mは自然数ですから,N=3(33a+3b+m)は3の倍数である。(証明終)
各位の数の和が9の倍数の場合も,また,もっと桁数の大きな数でも,同様に証明できます。