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リニア中央新幹線に関する2冊

8月1日にご紹介した『リニア新幹線と南海トラフ巨大地震』に続けて,リニア新幹線に関する考察2冊です。

橋山禮治郎『リニア新幹線 巨大プロジェクトの「真実」』(集英社新書,2014)
著者は千葉商科大学大学院客員教授,アラバマ大学名誉教授。専門は政策評価,公共計画,経済政策。
国内・国外の数多くのプロジェクトの構想・計画・実施・運営の段階で調査研究や分析評価に関わってきた実績があります。プロジェクトを成功させる不可欠な条件は「正しい目的」と,それを実現させる「最適の手段」である。前者は,具体的かつ明確で,多くの人々が必要性に納得するものであること。後者は,信頼できる技術・方法・ノウハウ等が確実に用意されていることであり,経済性や環境適応性の面からも合理的なものでなくてはならない。過去の例として,東京湾横断道路,超音速機コンコルド,英仏海峡トンネル,ドイツのリニア鉄道建設計画など,実現したが失敗した,あるいは実現前に中止されたプロジェクトを参照しながら,リニア新幹線計画がいかにダメかを丁寧に説きます。
第一章 リニア計画はなぜ生まれたのか
第二章 なぜリニア中央新幹線をつくるのか
第三章 どのようにつくるのか
第四章 過去の“失敗プロジェクト”に学ぶ
第五章 経済性を検証する
第六章 技術面,環境面から検証する
第七章 リニア計画の“終着駅”
第八章 リニア計画の政策決定の在り方を問う

山本義隆『リニア中央新幹線をめぐって 原発事故とコロナ・パンデミックから見直す』(みすず書房,2021)
著者は駿台予備学校の物理講師にして科学史家。著書多数。(神谷も駿台のテキストを通じて私淑しています)
物理家・科学史家としての鋭い眼差しをリニア新幹線計画に向け,工学的な面はもとよりエネルギー問題や経済合理性の面から,そして哲学的な視点からもその不合理性・欺瞞性を明らかにしていきます。
序章  なぜいまリニア新幹線を問うのか
第一章 リニアは原子力発電を必要とする
第二章 6000万人メガロポリスの虚妄
第三章 リニアをめぐるいくつかの問題
第四章 ポスト福島、ポスト・コロナ

 

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