(2020年5月9日発行の『神谷塾だより』に掲載したものに加筆しました)
チャールズ=チャップリン監督・脚本・主演の『モダン=タイムス』という映画がある(写真下)。製作は1936年、音楽付き無声映画で、美しい主題曲もチャップリン作曲のもの(器楽のみ)。後に J. ターナー と J. パーソンズ が詞を書き、タイトルを「スマイル」として、ナット=キング=コールが歌って1954年に大ヒットした。 N. K. コール(1919-65)はアメリカのジャズ歌手・ピアニスト。
「スマイル」は J. ガーランドや M. ジャクソンら多くの人にカヴァーされ、最近ではレディー=ガガが自宅で歌った動画を配信している。(J. ガーランドは本欄第27回「虹の彼方に」の歌手)
N. K. コールの演奏はたとえばこちらに。レディー=ガガの演奏はたとえばこちらに。
Smile, though your heart is aching
Smile, even though it’s breaking ①
When there are clouds in the sky, you’ll get by ②
笑ってごらん 心が痛むときも
笑ってごらん 心が折れそうでも
空が雲に覆われていても
君ならなんとかやっていけるから
If you smile through your fear and sorrow
Smile and maybe tomorrow ③
You’ll see the sun come shining through for you
恐れや悲しみの中にあるときも
笑っていれば きっと明日は
雲間から太陽が現れ輝くのが見えるだろう
Light up your face with gladness
Hide every trace of sadness
Although a tear may be ever so near
その顔を喜びで輝かせ
悲しみの跡を隠してごらん
涙がまたこみ上げてくるとしても
That’s the time you must keep on trying ④
Smile, what’s the use of crying ⑤
You’ll find that life is still worthwhile ⑥
If you just smile
いま諦めてはいけない
笑ってごらん
泣いたって何にもならないじゃないか
人生はまだ生きる価値があるとわかるよ
ただ笑ってさえいれば
① even though (=even if) は「たとえ…でも」。 it は前行の your heart 。
② when の節は前行からの流れで「たとえ…の時も」と解釈した。
③ Smile and は前行の意味の反復になっている。
④ keep on ~ing で「~し続ける」。直訳すると「頑張り続けなくてはならない時だ」。
⑤ what’s the use of ~ing? で「~して何の役にたつのか」。
⑥ worthwhile は「時間・金・労力をかけるだけの価値(やりがい)がある」。
例: This movie is worthwhile. 「この映画は観る価値がある」