(2018年12月17日発行の『神谷塾だより』に掲載したものに加筆しました)
ビング=クロスビー(1903-77)はアメリカの歌手・俳優。多くのクリスマスソングを歌ってヒットさせており、「クリスマスソングの王様」と呼ばれていたそうだ。
「ホワイト=クリスマス」を作詞作曲したアーヴィング=バーリン(1888-1989)はベラルーシ生まれ。5歳のときニューヨークに移住、苦労して歌手となり、やがてミュージカルの作曲を手がけるようになった。「ホワイト=クリスマス」が書かれた時期と場所は不明のようだが、場所はどうやら温暖な、つまり雪の降らないところであったらしい(注①を参照のこと)。
クロスビーが録音したのは第二次世界大戦中の1942年。特に海外へ派遣されている兵士の郷愁を誘い、愛されたということである。
I’m dreaming of a white Christmas
Just like the ones I used to know ①
Where the treetops glisten and children listen ②
To hear sleigh bells in the snow
真っ白なクリスマスを夢見ている
昔から知っていたようなクリスマスを
そこでは 梢はきらめき 子供たちは耳を澄ませる
雪の中に橇の鈴の音を聞くために
I’m dreaming of a white Christmas
With every Christmas card I write ③
May your days be merry and bright ④
And may all your Christmases be white ④
雪のクリスマスを夢見ている
クリスマスカード1枚1枚にこう書きながら--
あなたたちの毎日が楽しく 輝かしくありますように
そして あなたたちのクリスマスがみな 雪景色の中にありますように
① used to~は過去の状態。「以前は~であった(が,現在は~でない)」と、現在との対比を含む。現在いる場所ではクリスマスに雪が降らないようだ。
② whereは関係副詞の連続用法であろう。先行詞にあたるのは(書かれていないが)「真っ白なクリスマスを迎えている場所」。
③ with以下は前のフレーズを修飾する(付帯状況という)。
④ May+主語+述語動詞!で「(主語)が~しますように」。祈願文という。
例:May you live long! 「あなたが長生きしますように」