(2015年11月19日発行の『神谷塾だより』に掲載したものです)
ビリー=ジョエルは1949年生まれ、現在66歳で健在。主にピアノ弾き語りで知られているロックのシンガー。1970年代の若き日には髪はモジャモジャ、危なそうな目つきの尖った人という印象だったが、今は坊主頭の物腰柔らかそうなおじさん。2006年に札幌ドームでそれはそれは素晴らしいライブがあり、その場にいられたことは神谷の人生における幸運のひとつなのである。
今回の曲は1977年の作品で、邦題は「素顔のままで」。当時の奥さんに捧げたラブソング。ありのままの君が好きだ!という非常にわかりやすい歌だが、本人は「いかにもありがちで安っぽい」からとあまり気に入ってはいないそうで、アルバムの選曲からも外れかけたとのこと。それがグラミー賞を取ったりして自身の代表作になるのだから不思議なものですね。
Don’t go changing to try and please me
You never let me down before
変わらなくていいんだよ 僕を喜ばせようと思って
君が僕をがっかりさせたことなど一度もなかったよ
Don’t imagine you’re too familiar
And I don’t see you any more
考えないで 馴れ馴れし過ぎるかしらとか
僕が君ともう二度と会わないだとか
I would not leave you in times of trouble
We never could have come this far
君を決して離さない 苦しい時だって
でなければここまでやってこれなかっただろう
I took the good times, I’ll take the bad times
I’ll take you just the way you are.
楽しい時を一緒に過ごしてきた 苦しい時も分かち合いたい
ありのままの君を受け入れるよ
(中略)
I need to know that you will always be
The same old someone that I knew
わかっていたいんだ 君がこれからもいつも
僕が昔から知っている君であると
What will it take till you believe in me
The way that I believe in you.
何が必要だろう? 僕を信じてくれるために
僕が君を信じているように
I said I love you and that’s forever
And this I promised from the heart
つまり僕は君を愛していて それは永遠だってこと
心から誓うよ
I could not love you any better
I love you just the way you are.
これ以上は無理っていうくらい愛してるよ
ありのままの君を愛してる
間奏や後奏で聴けるアルトサックスの素敵なソロはジャズのフィル=ウッズという人の演奏。「この曲のこのフレーズだけでいいからサックスを吹けるようになりたい」と思わされる。
believe in はただbelieveでも良さそうだが、意味が少し異なる。I believe you. というと「君の言うことを信じる/君の言うとおりだ」。これに対してI believ in you. は「君の人柄(とか能力)を信じる」。だから愛を告げたり求めたりするときは後者を遣うわけである。
洋楽のすすめ(2) BILLY JOEL: JUST THE WAY YOU ARE