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静電気で蛍光管を光らせてみた(続)

前回の記事の続きです。
プラスチックの下敷きを化繊の布でこすると、布から下敷きへ電子が移動して布はプラスに、下敷きはマイナスに帯電します。この下敷きに蛍光管を触れさせると,下敷きに溜まっている余分な電子が流れ込んで光る、とよく説明されています。これに関して,
○プラスに帯電している布のほうに触れさせたときはどうなのか?
○そもそも,近づけるだけで(触れさせなくとも)光るのではないか?

ということを問題にしていました。
先日の実験は生徒が帰ったあとの教室で,電灯は消してはいたものの窓から街の明かりが入って完全な暗闇の中ではありませんでした。そこで昨夜は道具一式を自宅に持ち帰り,真っ暗な自室でこっそり(笑)やってみました。自宅は札幌でも辺鄙な(クマが出たりもする)場所にあるので,神谷塾よりも良好な暗闇が実現できる(笑)のです。札幌は初夏を迎えていますが,前夜はよく乾燥していて静電気の実験には好条件だったと思います。(本州などでは,特に夏場は,湿気のために静電気の実験には向かないようです。北海道在住で良かった)
さて,二度目の実験で気づいたことを書きますと--
○マイナスに帯電した下敷きに蛍光管を近づけると,光るとともに,パチパチと放電の音がする。
○蛍光管を下敷きに接触させたまま面上をスライドさせたり,一度離して別の部分に近づけたりすると,また光る。
○プラスに帯電した布のほうでも蛍光管が光るが,下敷きのときほど鮮やかではない。

いつも頼りにしている「新理科教育ML」で今回の件を相談してみたところ,下敷きや布に蛍光管を「近づける」だけで(接触させないで)光るのは放電が起こるためだと考えてどうやらよさそうです。もう少しちゃんとまとめますと,
1)静電気は電圧が高いので接触する前に放電で電荷の移動が起こる。その距離は電圧によって決まる。
2)このとき流れる電流で蛍光管は発光する。
3)帯電体の電荷が正でも負でも,電荷の移動が逆になるだけで放電は起こる。
 ただし,正か負かによって放電に必要な電圧に差があるかも知れない。

当初は「高圧送電線の近くで蛍光灯が光る」のをつい連想して電場がどうのと思ってみたりもしましたが,意外にシンプルな現象であるようです。(高圧送電線のほうはこちらのサイトに紹介されています。難しい議論がありそうで,当面は私の能力を超えています)
中学生の教科書には「接触(触れ)させると一瞬光る」とよく書いてあるのですが,電圧にもよるということでしょうか。しかし,蛍光管などが光ったと確認するにはそれなりの電圧が必要で,だとすればやはり接触する前に放電が起こるように思います。この実験に関するかぎり,教科書の記述は正確ではないような。
簡単な実験のように思いこみ,文字を追っただけでわかったようなつもりでいましたが,理科の教師の端くれとしては正しい姿勢ではありませんでした。なんでも実際にやってみると,ぐっと理解が深まるものです。この件でまた新しい知見が得られたら,続きを書くつもりです。
なお,実験の模様を動画に撮れないかと考えたのですが,「蛍光管が下敷きに触れているかいないか」を見てもらうためには照明が必要です。ところが,照明があるところでは,4Wの蛍光管は光っているのかいないのか全然わかりません。そんなわけで,大変残念ですが現在の私の手持ちの道具で撮影は無理です。悪しからず。

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