小5の次男の小学校のクラスで絵本の読み聞かせをしてきました。
普段の朝読書の時間に時々お母さん方の有志が読み聞かせに行っていて、うちの妻も常連。たまには親父にも読ませてみてはどうかという声がどこからか出たらしく、朝なら時間の融通が利く私に声がかかったのでした。5年生は3クラスで、今日は私のほかPTA会長氏ともう一人で3人とも親父が登場。
5年生相手に絵本でいいのか?とはじめ首を傾げましたが、時間が短いので字数が少ないものが合っているのです。それに絵本だから幼稚というわけでも全くありません。その絵本は何がいいのか?と声がかかった頃から自宅の書棚を物色し始めました。
雪のシーズンでもあるし、絵も綺麗だし、ということでなんとなく宮沢賢治『雪渡り』か新美南吉『手袋を買いに』を考えていたのですが、読んでみると長くてとても10分には納まらない。それに、『雪渡り』にはあの「かた雪かんこ、しみ雪しんこ」といった調子のいい歌というかお囃子みたいなのが沢山あって、朗読するには上級者向けという感じ。また『手袋を買いに』は母狐と子狐の話であるうえ、“挿入歌”としてシューベルトの子守歌「眠れ眠れ母の胸に」が出てきたりして、どう考えても親父ではなく母親の(笑)朗読向けです。
というわけで、前夜になってやっと見つけたのが『かさじぞう』。大晦日~元日という設定なので非常にタイミングが良く、主役はしがない笠売りのじいさんで感情移入もしやすい(笑)。最後はメデタシメデタシで終わりますし、話は短いのでゆっくり読んでも所要時間5分足らずです。
短くて物足りないと思われても惜しいので、もう1冊、これも短いウクライナ民話『てぶくろ』も用意しました。これも雪のシーズンにはぴったりです。ネズミ・カエル・ウサギ・キツネ・オオカミ・イノシシ・クマ、と順に登場して、手袋(ミット)に入っていきます。登場順に体が大きくなるので恐らく声は低くなりますから、ネズミやカエルは高い声で始めて、クマのところで最低音になるように少しずつ低くしていく、てなことも試みました。
『てぶくろ』でいちばん可笑しいのは、たぶん6番目にイノシシが「入れてくれ」と言ったあと(もう満員なので)「ちょっとむりじゃないですか」「いや、どうしても入ってみせる」とやりとりするところ。ここで笑いが取れるといんだが、と期待していたら、爆笑とはいきませんでしたが子供らの中からクスクスと笑いが漏れました。上出来でしょうか。
なお、『てぶくろ』の英語版で上のイノシシの台詞は“Yes, I can. I will.”となっていて、シンプルながら感じがよく出ていて笑えます。他の台詞もなかなか楽しいので、英語版もお勧めです。
絵本の読み聞かせに