…を聴きに札幌ドームへ行ってきた。これで見納めになりそうな大物は2006年暮れのビリー=ジョエル以来。私は中2の頃から30年以上も聴いてきたが、彼らに影響されまくった世代(50代~60代)よりは若い。案の定、会場ではオッチャンやオバチャンが大多数で私は若造のほうだった(はず)。
想像していたとおり、喋りはガーファンクルがリードして、サイモンは無口。ギターが物を言うからいいのであろう。遠くに小さ~く見える実物と大画面を交互に見ながらありがたい演奏の数々に耳を傾ける。ライブではいつもそうだが、レコードで聴き慣れたのとはアレンジが違っていることが多く、感慨はいまひとつ。しっとりとしたアコースティックなのを期待していたが、ステージには大バンドが乗っていて、ガーファンクルの高音が聞こえないこともしばしば。二人ともソロ活動のバックのメンバーをそれぞれ連れて来ているらしく、存在感のあり過ぎるリードギターが2人もいて、サイモンのギターの聴き所がところどころ霞んだ気がした。
日本人に受けそうだからか、たしかサイモンが「失敗作だ。もうやらない」と言っていたはずの「アイ・アム・ア・ロック」はあり、世界的には評判の良くない「コンドルは飛んでゆく」もあった一方で、私がたぶん一番聴きたかった「エミリー・エミリー」はなく、「明日に架ける橋」も期待したほどの感動はなかったが、「キャシーの歌」が美しくて素晴らしくて泣けた。これを含めておおむね楽しめた。「スカボロー・フェア」では昔のギター本に書いてあったとおり第7フレットにカポタストを付け、昔練習したとおりの指使いでサイモンが弾くのを見て、おれが練習したのと同じだと驚いてしまった(笑)。
聴衆がよくなかった。「コンドルは…」のところで最高に盛り上がってみたり(恥ずかしい~)、ミュージシャンが手拍子を要求している時には反応が鈍かった一方、信じがたいことに「サウンド・オブ・サイレンス」で手拍子を打ってみたり(やめてくれ~)、「ボクサー」でも細かい手拍子(要らない!)を打とうとして演奏と見事に半拍ずれてみたりして、どうにも感心しない。そもそも、席にドリンクや食べ物を持って入る神経が信じられない。生ではもう見られないであろう世紀の(前世紀の?)大物を大金はたいて聴きに来て、いい大人がほんの2時間かそこら、飲み食いせずに集中できないのか。
せっかく札幌に来てくれたが、あいにくの雨天と聴衆のいたらなさに申し訳ないような気持ち。
サイモン&ガーファンクル札幌公演