中3生を対象に、標記の講習会を毎週日曜にやっています。
学年末テストのあと、1月中旬から3月アタマのぎりぎりまで、例年6~7回のシリーズで行います。今シーズンは6回。毎年3月のアタマはやろうかやめようかと迷いますが、本番がギリギリに迫った日曜に時間を持て余しているのも落ち着かないだろうと思い、大抵は実行します。今年は3月3日が最終回です(本番は3月5日)。
朝9時に開始。最後の「北海道学力コンクール」やその過去問を使って、公立高校入試と同形式のテストを毎回1セット(5教科)消化します。各教科45分で、国語から始めて数学・社会・理科とやったところで昼食。昼休み後に英語。本番では社会が済んだところで昼休みですので、それよりは全体に前倒しでハイペースです。「学校裁量問題」が導入されて4年が経過し、道コンもそれに対応して実施されてきましたので、その蓄積のおかげで今年はようやく全部「裁量問題入り」で実施できるようになりました。
昼食はお弁当持参です。神谷塾の生徒が教室で食事をするのは後にも先にも中3のこのときだけ。(上の写真は昼食後にぎやかに歓談する本年度の中3生たち)
英語を解き終えるころには理科までの採点が済んでいますから、正解・解説と一緒に答案を返却。私が英語の採点をしている間、生徒は間違ったところの見直しなどをして過ごします。
英語の採点が終わると、それを返却して、英語からさかのぼる順序で解説。誤答の多い問題、注意の必要な問題を中心に、別解を示したり、採点基準を示したり、ちょっとしたまとめをしたり、場合によっては「この時期にこんなのを間違っていてはいかんなあ」的に延々とセッキョーを垂れたりします。中3も今くらいになると長い付き合いですので、実際はもう少し辛辣なことを言います(笑)。だから、生徒にとっては決してお気楽な時間ではありません。
それやこれやで彼らが解放されるのは夕方の4時半くらい。皆の出来が良ければ解説も早く終わりますが、逆であればなかなか帰してもらえない。そこのところがご父母様には非常に好評です(笑)。
この講習会の目的は、まとめとか最終チェック、そして入試予想(※1)という面ももちろんありますが、最大の狙いは「場慣れ」です。もちろん、弱小零細の塾ですし、受講生もいつもの顔ぶれですから、本番さながらの臨場感というのは望むべくもありません。ただ、例年これで大概の受験生は本番でもうまくやってきていますので、おそらく教室の規模は問題ではないのです。
大切なのは、調子が悪かったり問題が難しかったりしたときに<パニックに陥らない>ための、もう少し現実的には<パニックに陥って、そこからリカバリーする>練習です。パニック状態に対する免疫づくりといってもいいでしょう。
だいたい、数学が難しいことが多い。数学は昨年ぐっと易化しましたが、今年も易しいとは限らない。国語だって解きやすいということはまずない。仮に1教科め・2教科めの国語と数学がやたら難しくて自分では「絶不調」だと思われるとき、合否はそこで踏ん張れるかどうかにかかってきます。一番いいのは数学の最中に立ち直ることですが、運悪くパニック状態のまま数学が終わってしまったら、次の社会で立ち直るのです。
国語や数学で思うように得点できていないと思うときに、残りの社会・理科・英語もついでに「絶不調」になってしまえば、たぶん合格は難しいでしょう。そうでなく、社会で気を取り直して残りで全力を尽くすことができれば、そこそこの合格可能性が出ている高校であればたぶん大丈夫です。(※2)
国語や数学が難しかったとしても、それは受験生全員に同じ条件です。すらすら解く子も一握りいるでしょうが、すらすら解けない子のほうが圧倒的に多い。そう割り切って、それぞれの教科でいつもの力を出しておけば、全体としてそんなにひどいことにはならないのです。勝負は5教科の合計ですからね。これを本番の前に数回通過して“身体で覚えて”おけば、本番でも自分を落ち着かせることができますし、そもそもパニックに陥りにくくなるでしょうね。
それを、この入試直前講習ではたびたび話し、体験してもらっています。中3生全員を前にして話をする機会もあとわずか。言い残すことがないように、限られた時間を大切に過ごしたいと思います。
※1 1回の模試を予想問題とするのはなかなか困難ですが、6回もやれれば入試に出そうなネタはかなりカバーできるでしょう。特に社会や理科。すると入試本番でも「身に覚えのある」問題が出る可能性が高まります。予行演習で間違えても本番で間違えなければいいのですね。
※2 そういう意味では「社会こそがカギだ」と、私は生徒に言っています。多少アタマの調子が悪くてもパニックになっていても、社会を楽々解く力があれば、その45分で気を落ち着かせることができるはずです。
入試直前講習