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それは何人称?

中1が「三単現のs」で苦労しています。
つければいいとわかればちゃんとつけられるのですが、どういうときにつけるべきなのか、本当にはわかっていない。今のところ現在形しか出てきませんから「三人称で単数」と憶えておけば済むようなものですが、それが「そうは問屋が卸さない」のです。
「単数」は平気らしいのですが、結局「三人称」がわかっていないのです。一人称・二人称・三人称という区分は国語でも出てきますし、今のうちにわかってしまわないといつまでも苦労します。それで中1にはたびたび、くどくどと(笑)説明するのですが、非常に飲み込みが悪い。うちの生徒だけなのか、全国的にそうなのか、それはわかりません。
中1に限った話でもないのかも知れません。中3になっても人称の意識が希薄なのでsをあっさり落とすのかも知れませんね。
さて、説明するとなるとやはり一人称からです。一人称ってどんなの?と問うと、たいてい「私」と返ってきます。それは間違いではないが、正しくもない。一人称とは

  ・私 ・私たち ・私とあなた ・私と私の父 ・私と私の家族
  ・私とジョン ・私と私の友達 ・私と私の犬

などなど、全部がそうです。まとめれば、人数に制限なく「私」ないしは「私たち」と表現できるものすべて一人称です。
次は二人称です。

  ・あなた ・あなたたち ・あなたとあなたのお母さん ・あなたとあなたのご家族
  ・あなたとリンダ ・あなたとあなたのお友達 ・あなたとあなたの猫

などなど。まとめれば「あなた」ないしは「あなたたち」です。
ここで、「私とあなた」が一人称であることに注意が必要です。これが中1にはわかりにくいらしい。
問題の三人称ですが、よく間違うのは「あなたのお兄さん」など。「あなた」につられて二人称だと思いこむ例がすごく多いです。

  ・彼 ・彼女 ・彼ら ・彼女ら ・それ ・それら
  ・ケン ・ジェーン ・ポチ ・マイケル
  ・私の父 ・あなたのお母さん ・私のクラスメートたち ・あなたのペットたち

などなど。まとめれば「彼・彼女・それ」または「彼ら・彼女ら・それら」。モノや動物は問答無用で三人称です。
こうやってひとつひとつ確認していくのも大切ですが、きりがありません。結局、人間どうしの会話がそこにあって、

  話し手側  (「私」が含まれている) が一人称
  聞き手側 (「あなた」が含まれている) が二人称
  その他 (話題に上っているだけで、会話に不参加) が三人称

ということでしょう。前述の「私とあなた」にさえ気をつければこれで不自由はありません。
ただし、そうカンタンに言われてもすんなりとは受け入れられない、という性質のものかも知れず、うちの生徒たちは間違えまくっています。いつかは平気になるのでしょうが、それまでは根気よく教え続けなくてはならないようであります。

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