家庭教師を始めてみたら,塾での個別指導の時代よりも上手くやれていることがある,という話の続きです。前回の英語にも言えることですが,当然ながらマンツーマンで教えているので,生徒がしていることを「生」で見ることができますし,やはり細部まで行き届いたことができます。神谷塾のかつての個別指導は個別とはいえ教師一人(私)に対して生徒が通常は複数だったので,さすがに今ほどは丁寧に,かつ落ち着いてはできませんでした。
細部が大事なのは算数・数学と国語でしょう。特にこれらの教科が苦手で,前学年とか前々学年からの挽回をしなくてはならない生徒さんには,「一対多」よりも「一対一」が合っています。
算数・数学で,たとえば文章題であれば,いきなり筆算を始めないでまず式を立てる。できればカッコを使ってひとつの式に整える。実に,算数・数学の苦手な子はカッコの使い方が身についていないことが多いので,注意のしどころです。次に,計算の規則を使いながら式を変形していく。小6で円周率を使ってやや複雑な図形の面積を求めるところがありますね。これなどは円周率は最後に1回掛ければいいようにしていきます。式変形の書き方には作法があり,これは学校で(特に小学校では)きちんと教わる場面はないらしいのですが,私が教えていれば私がやるくらいには整然と書いていけるようになります。
暗算できるところはすればいいし,むやみに筆算をしていると数の感覚が磨かれないので,むしろ「そこは暗算しようか」と促したりします(これは「一対多」ではできませんでした)。また,筆算も習得すべき学年で習得し損なっているとヘンなことをしている(だから正解できなかった)場合もあるので,よく見ていると発見できたりもします。
基本的に教師(私)と生徒はご家庭のダイニングテーブルなどを使い,向かい合わせでやっています。これは個別指導のころからそうしていました。隣り合わせよりも絶対に見易いのです。隣り合わせだと生徒の手とか髪で作業の様子が見えない部分が生じますが,向かい合わせであれば,慣れさえすれば反対側から読んだり書いてあげたりするのも容易です。
次回は国語について取り上げます。