【『神谷塾だより』第105号(2007年5月1日)の記事を修正】
いま現在の自分の姿をちょっと確認してみてください。
・イスに浅く座って、ふんぞりかえっていたり
・膝をガッと広げていたり
していませんか。思い当たった君。今から心がけて、正しい姿勢で座ろう。姿勢が悪いと血行が悪くなり、疲れやすいはず。神経系統における信号の伝達にも支障がありそうだ。とすると、連続して勉強に集中できる時間も違ってくるだろう。<正しい姿勢>のポイントは
・イスに深く座り
・背筋を伸ばし(骨盤の上に背骨を垂直に立てる感じ)
・膝をそろえる(内腿の筋肉を使う)
といったところであろう。君たちはイスに座っている時間が非常に長いのだから、しばらく毎日意識してみると改善も早いはず。「自分の姿勢はいま美しいか?」と、ときどき気にするといい。
それから、脚を組んでいる人。脚を組む習慣は長期的に骨盤や腰の関節をゆがめ、背骨が曲がったり、広がった骨盤に内臓が落ち込んだりして、結果として体型が崩れたり肥満を招いたり(!)するらしい。左右の脚の長さが違ってきたり、女性の場合は出産にも支障をきたすという。…というわけで、気分転換程度ならいいが、脚を組みっぱなしにするのはやめよう。
ヒトの身体は<直立歩行>という大変難しい運動を可能にするために絶妙のバランスを保っている。骨格が正常であれば筋肉は骨格を動かすことに「専念」できるので、柔軟性を保つことができる。しかし骨格にゆがみがあると、全身のバランスを崩すまいとして一部の筋肉が慢性的に緊張する。それで凝る。肩凝りや膝痛のある人はたいてい腰のあたりに問題があり、それが根本の原因で肩が凝ったり膝が痛かったり、脚や腕がしびれたりするようだ。
ついでに、歩きかたについても言っておこう。ポイントは
・足首を柔軟に動かし
・足の裏で床や地面をしっかり蹴って(足をひきずらない)
・適正な歩幅で(無理のない範囲で、できるだけ大きく)
・左右の足の軌跡が直線になるように(弧を描いてはだめ)
といったところ。座る姿勢と同様、「美しく歩いているか?」が目安になるはずである。
姿勢を意識することは、とても重要だ。座りかたや歩きかたが悪いと長期的に腰や膝を痛める。身体の軟らかいうちは平気でも、放置すると早ければ二十代で、遅くとも中年になったころ、辛いことになるだろう。今から注意するのに越したことはないのです。