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『まんが パレスチナ問題』

何冊かの本を同時に少しずつ読んでいくのが好きである。読もうと思って積んである本から常時3冊くらいを持ち歩いて,マクドナルドでコーヒーを飲む時や定食屋で昼めしを食べる時に,ぐるぐる取り替えて読む。一冊の本に集中できる時間が長くないので,私にはこの方式が効率がいい。

そんな読み方で今日は山井教雄『まんが パレスチナ問題』(講談社現代新書2005)を読み終えた。「まんが」というよりは挿絵が充実した入門書。やや古い本だが,古代から2001年の同時多発テロの後くらいまでの経緯を大局的に掴むことができる。高校入試の社会でよく問われる第四次中東戦争-石油危機の前後も説明が詳しい。これまでも類書を結構たくさん読んできたが(そのためかも知れないが)本書の文章はストンと腑に落ちる。ユダヤ教とキリスト教とイスラム教の関係もすっきりまとめられていて助かる。

早読みの人なら1日で読めてしまえそうな分量だが,難しい内容を平易に書くためにであろう,執筆に2年もかかっている。そんなにさっさと読み終えてしまってはいけないのである。

本書は妻の書棚にあったのを借りて読み始めたのだが,期待していた以上に面白くて頁の角を折ったり線を引いたりしたいという衝動を抑えきれない。それを勝手にやると怒られるかも知れないと思い,古書店で同じものを見つけて自分の本にした。本書には続編もある。そのうち読み始めたい。

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