(2019年9月23日発行の『神谷塾だより』に掲載したものに加筆しました)
演奏の模様はたとえばこちらに。
ボビー=ヴィントン(1935-)はアメリカの歌手。1962年に実質的デビューし、2015年まで現役で活躍した。邦題「ミスター=ロンリー」は1964年に全米チャート1位を獲得した代表曲。従軍兵士の望郷の思いを歌ったもので,ヴィントン自身の兵役体験に基づくようである。
旋律の美しさから器楽曲としてのカヴァーが多く,1967年から現在も続くラジオ番組「ジェット=ストリーム」のオープニングにも使われている。現在は溝口肇のチェロ独奏だが,神谷の世代の者にはフランク=プゥルセル=グランド=オーケストラの演奏(こちら)が懐かしい。
Lonely, I’m Mr. Lonely ①
I have nobody for my own
Now I’m so lonely
I’m Mr. Lonely
Wish I have someone
To call on the phone
僕はミスター=ロンリー
僕には誰もいない 恋人と呼べる人は
とても淋しいよ
僕はミスター=ロンリー
誰かいてくれないものだろうか
電話で話せる人が
Now I’m a soldier, a lonely soldier
Away from home
Through no wish of my own
That’s why I’m lonely ②
I’m Mr. Lonely
I wish that I could go back home ③
僕は孤独な兵士だ
故郷から遠く離れて
僕自身が望んだわけでもなく
そんなわけで いま僕は独りぼっちだ
僕はミスター=ロンリー
故郷に帰れたらいいのに
Letters, never a letter
I get no letters in the mail
I’ve been forgotten
Year! Forgotten
Oh, how I wonder how is it I failed ④
手紙は来ない ただの一通も
郵便物の中に僕宛てのものはない
僕は忘れられている
なんてこった! 忘れ去られてるんだ
何がいけなかったのだろう
① lonely の発音は/lounli/(ロウンリ)。only も/ounli/ (オウンリ)であった。
② That’s why ~= That’s the reason why ~。「それが~する理由である」。why は先行詞 the reason を内に含む関係副詞。
③ I wish+主語+仮定法過去。現在の事態と反対の願望を表す。
④ 文の構造がわからない。たぶん = I wonder how I failed といったところ。「僕はどのように間違ったのだろう」。