(2019年5月27日発行の『神谷塾だより』に掲載したものに加筆しました)
演奏の模様はたとえばこちらに。
本欄でのビートルズ6曲目は1964年の作品。作詞作曲はジョン=レノンでリードヴォーカルもジョン。★を付したサビの部分だけポール=マッカートニーが歌っている。
ビートルズの忙しい日常をドキュメンタリータッチで描いた同名の映画の表題曲。表題がなかなか決まらず、よって表題曲もできていなかったが、ドラムスのリンゴ=スターが長い映画の撮影を終え “It was a hard day” と言い、夜だったことに気づいて “…’s night” と付け加えたのをジョンとポールが聞いていて、即採用。わずか2~3時間で曲を作り録音を済ませたという。
冒頭の「ジャーン!」というギターの一発は“ロック史上最も有名なコード”と呼ばれている。どうやら Fadd9 らしい(ベース音はD)。
It’s been a hard day’s night, and I’ve been working like a dog ①
It’s been a hard day’s night, I should be sleeping like a log ②
But when I get home to you
I find the things that you do will make me feel alright ③
もう夜なのか きつい一日だった 犬のようにずっと働いていた
本当なら丸太のように眠っているはずだよ
でも 君の待つ家に辿り着けば
君があれこれ尽くしてくれるおかげで疲れも吹き飛ぶんだ
You know I work all day to get you money to buy you things
And it’s worth it just to hear you say ④
you’re gonna give me everything ⑤
So why on earth should I moan ⑥
‘cause when I get you alone, you know I feel O.K. ⑦
君に好きな物を買ってやるために一日中働いて稼いでるんだけど
君が僕にすべてをくれると言うのを聞けば それも報われるというものだ
だとしたら いったいなぜ不満を抱いたりするだろう
君を一人占めしていると思うだけで 気分は最高なんだからね
★When I’m home, everything seems to be right
When I’m home, feeling you holding me tight, tight ⑧
家にいるときは すべてがうまく行っているように思える
家にいるときは 君にギュッと抱きしめられているように感じるのさ
① It’s been は現在完了形、I’ve been working は現在完了進行形。現在完 了進行形は「動作」の継続を表すときに使う。ここでは「少し前に終わった動作」で、その影響がまだ明らかに残っている感じを表す。
② should は「~のはずだ」と「当然の推量」を表す。
③ 直訳すると「君がしてくれることが僕を気分良くすることがわかる」。
④ worth it は「それだけの価値がある」。it は前文の内容を指す。
⑤ you’re gonna~=you’re going to~。③の alright(=all right)、⑤の2行後の ‘cause(=because)ともども、略表記は試験で書かないこと。
⑥ on earth は疑問詞の直後に置いて「いったい(全体)」。
⑦ get A…で「Aを…にする」。get you alone で「君を一人にする」となるが、 これでは意味が通じないので上のようにした。
⑧ feel A ~ing で「Aが~しているのを感じる」.