(2018年11月13日発行の『神谷塾だより』に掲載したものに加筆しました)
演奏の模様はたとえばこちらに。
Queen を取り上げるのは2度目です。今回は第14回の We Are the Champions と同じアルバム News of the World (1977年)に収録の、やはり彼らの代表作。作詞作曲はギターのブライアン=メイで、「聴衆が曲に参加できるように」と考えて書かれたものだそうである。
rock は動詞で「…を揺り動かす」、you は一般の人を指し、rock you で「世間をあっと言わせる」というような意味になる。
Buddy, you’re a boy, make a big noise ①
Playing in the street, gonna be a big man some day ②
You got mud on your face, you big disgrace ③
Kicking your can all over the place, singing ④
We will, we will rock you
We will, we will rock you
騒々しい少年よ
今は街で遊んでいるが いつの日か大物になるんだろ
顔に泥がついているぞ 情けない
あちこちでしたい放題をしながら 歌ってる
お前たちをあっと言わせてやるぞ 揺さぶってやるぞ と
Buddy, you’re a young man, hard man
Shouting in the street, gonna take on the world some day
You got blood on your face, you big disgrace
Waving your banner all over the place, singing
We will, we will rock you
We will, we will rock you
気難しい青年よ
今は街で声を張り上げているが いつの日か世界を背負って立つんだろ
顔が血だらけじゃないか 不名誉なことだ
あちこちで自分の旗を振って 歌ってる
お前たちをあっと言わせてやるぞ 揺さぶってやるぞ と
Buddy, you’re an old man, poor man
Pleading with your eyes, gonna make you some peace some day
You got mud on your face, you big disgrace
Somebody better put you back into your place
We will, we will rock you
We will, we will rock you
哀れな老人よ
その目が懇願している いつか安らぎを手に入れたいと
顔が泥まみれだな 恥を知れ (年齢相応の知恵を働かせれば)
もっと有能な誰かがあんたを本来の場所に戻すだろう (歌ってみろ)
お前たちをあっと言わせてやるぞ 揺さぶってやるぞ と
(大野れい氏の対訳を参考にしました)
① buddy は「相棒」。転じて「おい」「君」「お前」といった呼びかけの語。
② gonna は going to 。 You are gonnna be~=you are going to be~.
③ disgrace は「不名誉」「恥」。 You are a disgrace. で「おまえは恥さらしだ」。
④ kick your can は直訳なら「自分の缶を蹴る」だが「(人の迷惑を顧みず)したい放題する」という意味になるらしい。
主語や述語動詞の省略と現在分詞(~ing)の多用が目立つ。ノリを重視ということなのか、文法や標準的な語法から逸脱していて意味をつかみにくい箇所も多い。また singing “we will rock you” は歌詞だけ見ると「お前らはそう歌ってるだけで結局何も成し遂げられはしない」と青少年を皮肉っているように読めるが、聴衆と一体化するという歌の目的を考えれば、逆に<未来へ向けた積極的な意志の表明を促すもの>と捉えるべきであろう。