(2018年10月15日発行の『神谷塾だより』に掲載したものに加筆しました)
本欄でのビートルズ5曲目はジョージ=ハリスン(1943~2001)の作品。ジョージは4人の中では最年少で、主にギターとコーラスを担当。作品数でもリードヴォーカルでも圧倒的な存在感のあるJ.レノンとP.マッカートニーの陰に隠れ、「静かなるビートル」などと呼ばれていたが、ビートルズ中期から徐々に頭角を現した。
Something はビートルズ最後のアルバム『アビー=ロード』収録の彼の代表作。ビートルズでは「イエスタデイ」の次にカヴァーが多く、フランク=シナトラは「20世紀最高のラヴソングだ」と絶賛したという。
韻を踏むために置かれた言葉が多いので緻密に意味を取るのは難しい。メロディに乗せた言葉の響きを味わってほしい。
Something in the way she moves
attracts me like no other lover
Something in the way she woos me
I don’t want to leave her now
You know I believe and how
あの娘の仕草のひとつひとつが 僕を惹きつける 他の誰よりも強く
僕を愛撫するあの娘の仕草がたまらない
あの娘の傍を離れたくない この気持ちだけは確かなんだ
Something in her smile she knows
that I don’t need no other lover ①
Something in her style that shows me
I don’t want to leave her now
You know I believe and how
あの娘の微笑みは知っているかのよう
僕には彼女以外誰もいらないってことを
あの娘の様子からそう感じ取れる
あの娘の傍を離れたくない この気持ちだけは確かなんだ
You’re asking me will my love grow ②
I don’t know, I don’t know
You stick around now, it may show ③
I don’t know, I don’t know
僕の愛が育つかと君は訊く わからない 僕にはわからない
一緒にいれば いつかはわかるかも知れない
でも 今はわからない 僕にもわからない
Something in the way she knows
And all I have to do is think of her ④
Something in the things she shows me
I don’t want to leave her now
You know I believe and how
あの娘の素振りはすべてを知っているかのよう
僕はただ あの娘を思っていればいい
何を見ても 僕はあの娘を思い出してしまう
あの娘の傍を離れたくない この気持ちだけは確かなんだ
(山本安見氏の対訳をほぼそのままいただきました)
① that の後は文法的には I don’t need any other lovers となる。
② will 以下は my love will grow (間接疑問)となるべきところ。
③ stick around は何かを待って「その場を離れずにいる」。
④ is の後は to thimk of her (不定詞の名詞用法)となるべきところ。