(2018年5月28日発行の『神谷塾だより』に掲載したものに加筆しました)
ベン=E=キング(1933-2015)はアメリカのソウル歌手。今回の曲「スタンド=バイ=ミー」(1961)のヒットにより知られている。本作はアメリカの聖職者兼ゴスペル作曲家C. A. Tindley により書かれた黒人霊歌 “Stand By Me ”(1905)に着想を得て書かれたもので、作詞・作曲はキングを含む3人。
キングの「スタンド=バイ=ミー」は発表当時のほか1986年に同名の映画の主題歌としてもリバイバルヒットした。イントロにもなっている次のベースラインが印象的である。
なお、最近ではイギリスのヘンリー王子とM.マークルさんの結婚式でゴスペル合唱団が歌ったのが話題となった。
When the night has come and the land is dark
and the moon is the only light we see
No, I won’t be afraid, I won’t be afraid
Just as long as you stand, stand by me ①
So darling, darling, stand by me
Oh, stand by me, stand by me, stand by me
夜が来て 世界が暗闇となり 目に見えるのは月だけだとしても
そうとも 恐れることはない 君がそばにいてくれる限り
だから ダーリン そばにいておくれ
If the sky that we look upon should tumble and fall ②
and the mountains should crumble to the sea
I won’t cry, I won’t cry
No, I won’t shed a tear ③
Just as long as you stand, stand by me
So darling, darling, stand by me
Oh, stand by me, stand by me, stand by me
万一 見上げる空が崩れ落ち 山々が砕けて海に沈むとしても
叫んだりはしない 涙を流したりはしない 君がそばにいてくれる限り
だから ダーリン そばにいておくれ
Whenever you’re in trouble, won’t you stand by me
Stand by me, stand by me, stand by me
君に何か起きたらいつでも 僕のそばにおいで
そばにいておくれ
① as[so] long as A~で「Aが~する限り」。
② if A should~で「もし万一Aが~なら」。(ここでは「~でも」)
③ tearは可算名詞で通常は複数形tears。shed tearsで「涙を流す」。
名曲はカバーが多い。本作ではジョン=レノン(1975)とモーリス=ホワイト(1985)のものが最もよく知られているであろう。レノン版はロック調である。いっぽうホワイト版はソウル風で、歌詞が増量されている。