(2017年2月22日発行の『神谷塾だより』に掲載したものに加筆しました)
エルトン=ジョンは1947年イングランド生まれのシンガー・ソングライター、ピアニスト、作曲家。ピアノ弾き語りが基本のスタイルである。
今回の曲(邦題「僕の歌は君の歌」)はデビュー間もない1970年の作品で、初期の代表作となっている。彼の曲の大半はバーニー=トービンという人が作詞していて、この曲もそうだが、詞が良かったからか作曲は30分で済んだという。特に第3パラグラフの4行目、How wonderful life is …に至る言葉の流れを味わってもらいたい。
It’s a little bit funny, this feeling inside
I’m not one of those who can easily hide ①
I don’t have much money but, boy, if I did ②
I’d buy a big house where we both could live ③
少しおかしいんだ 胸の奥のこの感じが
感情を隠しておくのが 僕は得意じゃない
お金はあまりないけど もし持っていたら
君と二人で暮らせるような大きな家を買うよ
If I was a sculptor, but then again, no
Or a man who makes potions in a traveling show
I know it’s not much, but it’s the best I can do
My gift is my song and this one is for you
もしも彫刻家だったら またしてもあり得ないけれど
あるいは巡業公演の一座の薬売りだったら とか考えるのさ
(もっといい物をあげられるのにって)
大したものじゃないのはわかってるけど 今はこれが精一杯
僕の贈り物は僕の歌 君のための歌だよ
And you can tell everybody this is your song
It may be quite simple, but now that it’s done
I hope you don’t mind that I put down in words
How wonderful life is while you’re in the world
みんなに言ってくれていいんだよ これは君の歌だって
シンプル過ぎるかも知れないけど 出来たてだ
気にしないでくれるよね 歌詞にこんなことを書いたのを
この世に君がいるだけで 人生はなんて素晴らしいんだろう
I sat on the roof and kicked off the moss
Well, a few of the verses, well, they’ve got me quite cross
But the sun has been quite kind while I wrote this song
It’s for people like you that keep it turned on ④
屋根の上に座り 苔を蹴散らした
詞の何行かがうまく書けなくて ひどく不機嫌になった
でも この歌を書いている間 太陽はずっと穏やかだった
この歌は 君のようにずっと聴き続けてくれる人のためのものだ
So excuse me forgetting, but these things I do
You see I’ve forgotten if they’re green or they’re blue ⑤
Anyway, the thing is what I really mean
Yours are the sweetest eyes I’ve ever seen
それで 忘れてしまってごめんよ 僕はよくやらかすんだが
思い出せないんだ それがグリーンだったかブルーだったかをね
いずれにせよ それは僕が本当に言いたいこと
君の目ほど素敵な目を 僕はこれまで見たことがない
① those who~で「~する人々」。関係代名詞who以下が先行詞thoseにかかる。
② if I did, I would~は仮定法過去。現在の事実に反する仮定を表す。
③ whereは関係副詞で、where以下が先行詞a big houseにかかる。
④ turn onは「(テレビなどの)スイッチをオンにする」だが、ここでは「レコードをかける」。
⑤ theyは2行後のyoursを指す。彼女の目の色を思い出せなくて困っているのだ。
洋楽のすすめ(12) ELTON JOHN:YOUR SONG