春期講習とその後のドタバタをどうにか乗り切り、心新たに新年度をスタートしました。
7日(土) 理科講座の第1回。
【中2】消化と吸収 【中3】細胞とその分裂/生殖
中2の生物は時間配分の都合で消化系の話から。最近の記事「モノグリセリドとグリセリン」に書いたとおり、今年から「脂肪は脂肪酸とモノグリセリドに分解される」と教えなくてはならない。このほかにも、従来はOKだった「唾液はデンプンを糖に分解する」という表現は中学理科的にもまずい(デンプンも糖の一種なので)ということになっており、さりとて「麦芽糖」とか「二糖類」という語句は遣えない(神谷塾の講座では遣う)ので「唾液はデンプンをより小さな糖に分解する」などという言い方をしなくてはならない。苦しいなあ。新年度スタートの講座でいきなり難所なのである。
14日(土) 理科講座の第2回。
【中2】肺・肝臓・腎臓 【中3】生殖と遺伝/遺伝の規則性
21日(土) 理科講座の第3回。
【中1】物質の種類と密度 【中3】原子の構造とイオン/電気分解のしくみ(1)
指導要領の改正により、理科の教科書は学年別になったうえどんな順序でやってもいいことになった。これまでは第1分野・第2分野のそれぞれ前から順に、という縛りがあったので、春が遅く第2分野の植物で始められなかった北海道の多くの中学では第1分野の物理(光・音・力・圧力)で始めていた。これが中1理科では最も難しいジャンルで、小学校を終えたばかりの子らには厳しかったはずなのだが、今年からそんなことをしなくて良くなった。それで、第1分野でも物理でなく化学(気体とか水溶液とか)で始める学校が多いようである。うちの生徒の通う中学も化学から。教わるほうも教えるほうもぐっと楽になって、成果が上がることだろう。
9日(月) 地歴講座の第1回。
【歴史】文明のおこり(1)/文明のおこり(2) 【公民】人権思想の発達
16日(月) 地歴講座の第2回。
【地理】世界の気候 【歴史】縄文・弥生時代/古墳時代
23日(月) 地歴講座の第3回。
【地理】世界の人々の生活と環境 【歴史】飛鳥時代 【公民】日本国憲法
教科書をよく確かめてみたら、今年から地理の内容が増えている。世界地理ではインドやロシア、ブラジル、オーストラリアが再登場し、日本地理も7地方別になっている。神谷塾の地歴講座としては、日本地理はもともとそれでやってきているので全く影響はないのだが、世界地理も網羅的に「南アジア・西アジア」「アフリカ」「CIS諸国」「南アメリカ」「オアセアニア」を増やすことになりそう(各1回)。するとスケジュールとしては年度内ギリギリというところである。このことに気付いていれば、第2回の「世界の気候」と第3回の「生活と環境」は1つにまとめてもよかったのに…とやや自己嫌悪ぎみ。
某日 映画『ゴッドファーザー PARTⅡ』を観る(「午前十時の映画祭」)。前作『ゴッドファーザー』から2年後の1974年製作。監督フランシス=フォード=コッポラ、主演アル=パチーノ、ロバート=デ=ニーロ。音楽は前作と同じニーノ=ロータの作品。
前作で父ヴィトからファミリーを継承したマイケル(パチーノ)のその後と、若き日の先代ヴィト(前作ではマーロン=ブランド、本作ではデ=ニーロ)の少年時代からゴッドファーザーにのし上がっていく過程とが、絶妙の展開で交互に描かれる。いろんな映画に続編があるが、この続編は第一作を観ていなければまずわからない内容。今回も対立するマフィアの駆け引きだか騙し合いが錯綜するので、前作を観ていてさえ油断するとすぐにわけがわからなくなるスリリングさだ(笑)。帰ってからネット上の解説を読んでようやく納得した部分が10か所くらいあるのだが、それでも楽しめるのだから映画とは大したものである。
父の跡を継ぎマフィアのドンとして冷酷に権力の座へ昇りつめていくマイケル。“ファミリー”は維持されるが家族の愛は失われていく。前作で既に妻(ダイアン=キートン)に愛想を尽かされかけていたが、それは本作で決定的となる。自分を裏切った兄も抹殺する。権力者とはいつも孤独なものなのだろうか。Wikipediaにあった「勝利したがすべてを失った」という表現がぴったりで、ラストでのマイケルの虚無感あふれる表情が印象的。
若き日のヴィトを演じるデ=ニーロは前作でのマイケル役の選考でパチーノに敗れたということであったが、本作では存在感たっぷり。前作のM.ブランドを真似たしゃがれ声での演技も見事。
4月のあれこれ